top of page

Tea Wine

ティーワインとは、食の美味しさを引き出すための茶葉を主原料とした創作飲料であります。

家内でも店内でも、製作する場に制限はありません。基本、ノンアルコールで製作します。

 

処方は料理やカクテルと同じように自由です。

製作するひとの感性と思考、好み、経験値で創作致します。

 

目的は、これまでに試されてこなかった新たなるアプローチで、

料理とマリアージュするノンアルコール飲料を創造することであります。

 

マリアージュは、「食」と「飲」が互いに引き立て合っている相性の良さ、調和、ハーモニーを表す言葉で、

もともとは、ワインと料理の関係性を表現した言葉であります。

 

ティーワインの製作は、非アルコール飲料として、このマリアージュ領域に踏み込み、

新たなる食と飲の桃源郷を創作する試みであります。

茶筒
茶筒

 Background

我が国の茶文化にまつわる事始めは、鎌倉時代に禅の開祖栄西が著した喫茶養生記に始まると云われています。

その後、茶は薬事から、村田珠光や千利休によって文化へと発展しました。

そして現代、ティーワインは世界のガストロノミー・シーンを塗り替える可能性を持って脚光を浴びようとしています。

21世紀、食の世界は多様化しています。

 

まず、体質的にアルコールとミスマッチな多くのノンアル派の方々がいらっしゃいます。また、ピュタゴリアンやビーガンを志向する方にアルコールまでも制限する多くのベジタリアンがいます。そして、ハラールなどの戒律によって飲酒を禁じる例も多様に見受けられます。

ティーワインは、料理と飲料のペアリング領域を広げようとしています。アルコール飲料でなければベストなマリアージュが得れないと言われる「食」と「飲」の組み合わせに一石を投じています。
 

_DSC1563.jpg

ティーワインは新たなる美食のパートナーになる可能性を秘めています。

 

コロナ禍以前の横浜には、国内外から年間多くの来訪者が来浜していました。みなとみらい21地区だけでも、2019年度の年間来街者数(推計値)は約8,340万人に上ったと市当局が発表しています。

 

ティーワインの創造は、いわば需要の先取りであります。コロナ禍で酒類提供ができなくなったことも契機のひとつになりますが、以前より国際線のファーストクラスでティーワインが提供されるなど、その存在が大きくなり始めていました。

_DSC1563.jpg

横浜ガストロノミ協議会では、多様化する食シーンを直視し、

和洋中オールマイティな食シーンに対応できる茶葉を原料とするティーワインの研究を始めました。

2021年6月には京都より、日本ティーペアリング協会の創設者西村勉氏を講師に招き講習会を催しました。

その後、当協議会内でティーワイン研究会を発足させ、

ソムリエ協会とバーテンダー協会が中心となりメンバーを編成しました。

今回リリースする処方は、その研究リポートであります。あわあせて作品の創作意図もご紹介いたします。

作品1ティーワイン 「SB 」

作品2ティーワイン 「Syr」

図1.png

上間 亮介

15457670564514.jpg

荒井 啓輔

インターコンチネンタル横浜Pier8 レストラン&バー「Larboard」

料飲部アシスタントマネージャー 兼ソムリエ

Marble Surface
IMG_7767.JPG
IMG_7767.JPG

◎ティーワイン 「SB 」

比較的渋みの柔らかい玉露をベースとしています。

そこに、陳皮、生姜(乾燥させたもの)、ミントの葉、コリアンダーにて

柑橘の風味とハーバルなニュアンスでソービニョン・ブランの白ワインを

イメージしたドリンクに致しました。

 

※一般に、白のソービニョン・ブランは、サラダや刺身、カルパッチョ、シェーブルチーズのように、見るからに新鮮でみずみずしい料理や食材と相性が良く、

「フレッシュホタテや白身魚のマリネに柑橘の香りを添えたお料理」など、柑橘系の清涼感との相性は良いと思います。

または、「リエット」や「パテドカンパーニュ」などのシャルキュトリーと玉露の心地よい苦み、ハーバルな風味が良く合うと思います。

〜 Recipe 〜

玉露         ・・・・・ 5~7g

陳皮         ・・・・・ 4〜5片

コリアンダーシード  ・・・・・ 10粒

生姜         ・・・・・ 10g

ミント        ・・・・・ 少量

IMG_7767.JPG

◎ティーワイン 「Syr」

煎茶を使い赤ワインの渋みを表現、そこに黒胡椒、アニス、ラベンダー(乾燥)などの特有のスパイス香

コーヒー豆で樽香を表現し、北ローヌのシラーを使った赤ワインをイメージしております。

 

※北ローヌのシラー(Syrah)は、渋み(タンニン)がまろやかでありながら、味わいは濃厚でコクがあり、スモーキーさや黒胡椒のピリっとした風味もあることから、お肉にとても合うと言われています。「鴨胸肉のロースト」や「鴨キュイースのコンフィ」は特有のスパイス香と相性が良いかと思います。

また、シラーをイメージしていますので、「牛ほほの赤ワイン煮込み」や「ナヴァランダニョー」など煮込み料理も合うかと思います。

 

さらに、ワインの持つベリーの果実味やスミレを思わせるニュアンスがジビエ独特の肉っぽさともうまくバランスをとってくれます。

〜 Recipe 〜

煎茶         ・・・・・ 5~7g

黒胡椒ホール     ・・・・・ 15粒程度

アニス        ・・・・・ 2片

乾燥ラベンダー    ・・・・・ 1TSP

コーヒー豆      ・・・・・ 10粒

ビーツ煮汁      ・・・・・ 数滴 ※色付け目的

作品3ティーワイン 「薄紅」

_DSC1590.jpg

山田 高史

一般社団法人日本バーテンダー協会

神奈川県本部 本部長

Marble Surface
_DSC1534.jpg
_DSC1539.jpg

◎ティーワイン「薄紅」

ブルゴーニュの赤ワインをイメージして創作しました。

ローズヒップの爽やかな酸味と、フルーティな心地よい味わいが特徴のティーワインです。

 

脂少なめの軽快なお肉料理に合わせてください。

〜 Recipe 〜

・水 500ml

・ローズヒップ 4.5g

・レーズン 15g

・ドライマンゴー 15g

・苺ジャム 15g

①全ての材料を3時間漬け込む。

②ペーパーフィルターをで濾す。

作品4スパークリング・ティーワイン

「爽 爽」(サワサワ)

_DSC1606.jpg

吉田 正樹

ビストロ酒場MarineClub

Marble Surface
_DSC1554.jpg
_DSC1558.jpg

◎スパークリング・ティーワイン 「爽 爽」(サワサワ)

日本ティーペアリング協会理事長、西村勉氏のスパークリングティー「そうふう」からインスパイアしました。

より凡庸性が高い煎茶を使用し爽快なスパークリングティーに仕上げました。

緑茶のほんのりとした渋みとハーブティーの香りが、フレンチやイタリアンの野菜系や海鮮系の前菜に合うと思います。

また、お口直しとしてもマッチすると思います。

ネーミングは「爽やか」なイメージ、さっぱりとした気持ちになれるということで「爽爽 (サワサワ)」と名付けました。

さわさわ=風が木立の葉をそよがせながら、さわやかに吹くさま

〜 Recipe 〜

水出し煎茶(深蒸し) 1ℓ

エルダーフラワー1.5g

カモミール1.5

ドライオレンジピール1g

フルーツビネガー(オークスハート シャルドネビネガー)5ml

 

ハーブティー類を水出し煎茶に入れ火にかけます、沸騰直前に火からおろし急速に冷やします。

ソーダストリームにてCo2添加し「スパークリングティー」にします。

フルートグラスにフルーツビネガーを入れ、スパークリングティーで満たします。

bottom of page